東京ボイストレーニングスクールスタッフブログ初見に強い?弱い!?
2025年7月29日

と、レッスンで原稿をお渡しすると出てくるお話し。
今回は、ためになるお話しですよー!!
ということでテーマは…「初見読み」です!
「初見」とは、「初めて見ること」「最初に見た状態のこと」。
声優やナレーターを目指す方なら、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
台本や原稿を初めて手にして、そのまま声に出して読む。
これを「初見読み」といいます。
目の前にある文字を、どれだけ正確に、そして自然に声にできるか。
これは、声の仕事に携わるうえで非常に重要なスキルです。
もちろん、じっくり時間をかけて読み込んでからの本番も大切。
でも現場では、「原稿をその場でもらって、すぐに収録」なんてことも少なくありません。
さらに厄介なのが、当日に原稿が差し替わるケースも珍しくないということ。
そんなとき、初見に強くないと…
はい、想像できますよね?
目の前が真っ白、頭も真っ暗。読みながら噛む、迷う、焦る…
となってしまいがちです。
では、“初見に強い人”って何が違うのか。
それは、
「声に出して読む言葉の少し先を、常に目で追っている」
という点です。
簡単そうに見えて、これが意外と難しい。
試しに、こんなニュース原稿を使って読んでみましょう。
〜〜〜
先日、東京・港区ににある東京湾岸水族館で大人気のイルカに待望の赤ちゃんが生まれました。
出産が期待された昼間には、全国各地のイルカファンが集まり、赤ちゃんの誕生を今か今かと待ちわび、
夕方ごろやっと、母イルカのイールから赤ちゃんが顔を出し、来場者からは歓声とともに喜びの声が上がりました。
東京湾岸水族館は、この赤ん坊の名前を一般公募すると発表し、10月1日の12時からホームページで募集を開始する予定です。
〜〜〜
いかがでしたか?
文字を1文字ずつなぞって読むようでは、なかなか滑らかに話すことはできません。
「東京にある新宿水族館で〜」と読みながら、
すでに次の文の「出産が期待された〜」のあたりを目にしていると、
よりスムーズに、落ち着いたナレーションができるようになります。
実際、アナウンサーの方々は数行先を見ながら読んでいるとも言われています。
では、日常でどう練習するか?
昔は「新聞を声に出して読め」と言われましたが、今はスマートフォンでOK。
ネットニュースを見かけたら、そのまま声に出して読んでみましょう。
毎日更新されるニュースは、まさに“現場の原稿”そのもの。
情報もタイムリーで、読みごたえもバリエーションもたっぷりです。
読むうちに、
・自分がつまずきやすい言葉
・読みやすい文の流れ
・無意識に早口になるタイミング
など、自分のクセにも気づけるようになります。
大切なのは、焦らず丁寧に読むこと。
最初はゆっくりでもいいので、一定のテンポとリズムを保ちながら、
口を大きく動かして、発音をはっきりと。
そして、なんども繰り返し練習することが一番の近道です。
初見読みは、慣れれば確実に上達します。
「声に出す→聞く→直す」のサイクルを積み重ねて、あなたも“初見に強い人”になっていきましょう!